谷津干潟から見る、日本に現存する湿地帯を知る

谷津干潟から見る、日本に現存する湿地帯を知る

役割と種類について

ただそこにあれば良いというわけではない

今でこそ自然豊かな証拠として扱われる干潟ですが、かつてはヘドロまみれで農業の役にも絶たず、ただただ悪臭を放つだけしか存在感がない、などと見られていた。昔の人たちにすれば知識を得たり調べたりすることは決して楽ではありませんでしたが、進んですることもなかった時代でした。勉強をするにしてもお金がかかるため、干潟についての研究と言ってもただただ無心に調べていれば、なにかしらの金銭が発生することもない。だからといって汚していいというものでもありません、むしろそうした人が悪臭と感じるところほど自然界においては豊かという言葉で満たされ尽くした場所だったりするものだ。人間主観の意見だけを重視していると大事なことを見落としがちになる典型的な例とも言えるでしょう。

そんな干潟についてだが、どういうものかと知るとしたらやはり役割についても事細かく知っておかなければならない。ただこの場所は自然溢れる場所だから保全していこう、なんて言葉で踊らされる人なら容易いかもしれませんが、理由を求められたらそれについても答えなくてはならない。だがヘドロの海という偏見で満ち満ちた1970年代頃では干潟とは何かを知る手がかりを探すのも容易ではありません。こうしたところから国などが推し進めていた計画に賛同していた人たちも、買収された人もいれば中にはお上の言うことには絶対信用できると過信している人だったら、いとも容易くそう思い込んでしまっても仕方がないだろう。

今にすればインターネットを利用すれば干潟が有している役割などを理解することはたやすい。全てとは行かないが、ここでは干潟が持っている役割について触れていこう。

水鳥を見に行こう

役割として

干潟が有している役割についてだが、その中には水鳥を始めとした多種多様の生き物が棲息するために必要な生態系が構築されている点を始めとして、全部で5つの役割が柱となっている。ではこの5つの柱の性質をそれぞれ取り上げながら紹介していこう。

水質の浄化

まず初めに実感はないかもしれないが、干潟には水質浄化機能が備わっている。川の上流から流れてきた有機物や栄養塩などが干潟には堆積しやすく、そうした有機物を分解・捕食する微生物が多数存在しているのです。この時、一部の微生物が硫化水素を発生させて悪臭が出てくるといったこともありますが、それだけ生物が多く棲息しているという証明にもなる。

微生物がいればそれを食す貝類や甲殻類などの生物が存在し、それらを餌とする鳥類や魚が出てくる。このように自然界における食物連鎖としてのシステムが干潟でも構築されているため、分かりやすく理解する上ではこの上ないほど最適な学習の場としても活用できるのです。

生物の多様性

次に、谷津干潟についても取り上げた生物の多様性という点についても干潟の役割として大きなところがある。ただ生物が棲息するためには先に紹介した水質の浄化機能が循環していなければ成り立たない、谷津干潟もゴミまみれの中でありながら少しずつ生態系を回復させ、鳥類が留まれるまでに回復できたからこそ、ラムサール条約に登録されるまでに至ったのです。

海岸線の保全

また干潟がそこにあるだけで押し上げられてくる波のエネルギーを分散させるだけの効果を有しています。平坦な地形になればなるほど、沖合からの波がもたらすエネルギーを直撃してしまい、その被害が広がってしまいます。干潟がある海岸線においてはそうした事態を防ぐという点でも有益な効果をもたらす。

環境学習

以上のような点を勉強するため、学校教育のカリキュラムの一貫として訪れるのも悪い話ではない。近隣に干潟がある学校では校外学習として訪れたこともあるだろう。植物や鳥類の観察としてもそうだが、自然界の分かりやすいシステムを理解するという意味でもこれほど適した学習の場はない。むしろ森林溢れる中に飛び込むよりもよっぽどやりがいを見いだせるとも言える。

保養場としても

勉強もそうだが、レジャーを楽しむという意味でも干潟は大いに利用できる。谷津干潟のようにラムサール条約に登録されていると、一般利用出来る範囲が限定的になっているなどの影響も少なからずあるかも知れないが、遊びを堪能する場としても干潟が有している意味は大きい。

潮干狩りしよう

干潟と言っても種類がある

役割については以上のとおりだが、干潟にも色々な種類が存在している。大まかに分けて3つある。

1つは『前浜干潟』と言われるもので、こちらは加工から外の海岸線や沖合まで広がる干潟の事を指し、1つは『河口干潟』という加工内の静穏な水域周辺に形成される干潟もある。そして『潟湖干潟』という加工や海から湾状の水域に形成される干潟というのも存在している。地理的な特色によってそれぞれのタイプに分類されますが、谷津干潟の場合だとその特殊な経緯もあって若干だが『潟湖干潟』として分類されるだろう。